石塔には文字などの彫刻が彫られています。彫刻部にガラスコーティングを塗ると色が濃くなるのでそれをどうにかして解決しようと苦労して開発した施工方法を紹介します。
そこそこマニアックな話になりますが、お客様への説明が必要になった時にこの記事がお役に立てれば幸いです。
研磨部と彫刻部
黒御影石をはじめとした色の濃い石材は彫り、あるいは削り加工部と研磨加工部の見た目というか色がかなり違います。その色の差(コントラスト)を利用して文字や図柄を表現しています。
研磨部は光の反射が一定であるのに対して、削り/彫り加工部は光が乱反射するのがこのような状態になるメカニズムです。
ガラスコーティングをすると表面被膜により光の乱反射が抑えられますので、非研磨部も色が濃くなります。これは艶がUPしたり、細かいキズを消してしまうという効果がある一方で、コントラストが欲しい状況では避けたい特性です。
彫り加工部といってもその深さによって少々対応は異なりますのでココでは3種類に分けて対応方法を説明していきます。
【深い彫り】棹石正面の文字など
【浅い彫り】戒名彫り程度の彫りの深さ。
【影彫り/レーザー彫り】ごく浅い彫り
通常、コーティングするとこれらすべての彫りは濃色化されます。
通常の塗り方
深い彫り部はそれを避けて塗布できますが、石材のコーティングは染み込ませるのが特長なので浅い彫りは浸み込んだ分で濃色化してしまいます。
ただし深い彫りの部分もエッジの部分から少しは色がついています。
薄塗り
この浸み込み層を少なくするのが薄塗りです。浅い彫りの箇所もなんとか濃色化を避けた施工が可能です。
複合コーティング
薄塗りをしただけではコーティング効果は下がるのでその下にフッ素シリコーンコーティングをしておく。というのが私の施工方法です。この複合コーティングはコストがかかりますが2つのコーティングのメリットを活かしたコーティングで、コレが出来る施行者はかなり少ないと思います。
ペイント+ガラスコーティング
この薄塗りでも影彫り/レーザー彫りは対応できません。その場合はペイントを入れた上にガラスコーティングをするのが良いと思います。戒名彫り等の浅い彫りについても薄塗りよりもペイントの方がコーティング効果は高いと思います。
ペイントについてですが、撥水ではなく親水から疎水の特性を持ったガラスコーティングはコーティングの上からペイントすることも可能です。
ペイントが上に来ますので、ペイントの耐久性を上げる事は出来ませんが、ペイントの下の石材の細孔も埋めてくれるので、このやり方も有効です。建立者名を赤くして、亡くなったらその赤を取る習慣がある地域にもオススメです。
ただし、影彫り/レーザー彫りには施工できませんでした。そこはやはりコーティング前にペイントをするのが唯一の解決方法です。
まとめ
いかがでしたか?通常墓石にガラスコーティングをする場合、そのまま濃色化させてしまうか、濃色化するからやめるかという選択をしていると思います。マイストーン藤枝ではこのような工法での施工が可能なので、コーティングの外注としてぜひご検討ください。
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